OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary People

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

再び、ソクラテス (プラトンの哲学(藤沢 令夫))

以前、「ソクラテスの弁明」や「ソクラテス以前以後」といった本を読んで見ました。しかしながら、哲学に疎い私にはほとんど理解できなかったので、今回は、その手の哲学の入門書だという本書を手に取りました。 ご存知のとおりプラトン(Platon 前428頃~前…

他諺の空似 (米原 万里)

米原万理さんの本を手にとるのは、実は初めてです。 私がよく拝見しているBlogの主の「ふとっちょパパさん」がお気に入りの作家だということと、「他諺の空似」というタイトルに魅かれて読んでみました。 読み始める前に勝手に想像していたような内容ではあ…

日本以外全部沈没 (筒井 康隆)

筒井康隆氏による「日本沈没」のパロディです。 この前、「日本沈没」の映画のリメイク版につられて「日本沈没第二部」を読んだのですが、今回もその流れです。 遥か昔、私が中学生のころSF、ショート・ショートが一世を風靡していました。そのころ文庫本で…

岸朝子のお気に入り お酒はおいしゅうございます (岸 朝子)

最近は普通の居酒屋さんに行っても、お酒の銘柄が数多く取り揃えられています。 私自身は、自分の舌に全く自信がなく、いろいろな種類の銘柄を飲んでも味の違いが分かるわけではありません。こういうものは、文字で理解するものではないのでしょうが、とは…

自由訳 イマジン (ジョン・レノン&オノ・ヨーコ)

この前読んだ、オノ・ヨーコさんの「グレープフルーツ・ジュース」がジョン・レノンの名曲「イマジン」のベースになったとのこと。 で、今回は、その「イマジン」です。 1962年、「ビートルズ」としてレコードデビューしたジョン・レノンは、1969年に前衛芸…

会社がイヤになった (菊入 みゆき)

最近多くの企業で、社員のメンタルヘルスの問題がクローズアップされています。 私も、その観点から、以前「こんな上司が部下を追いつめる―産業医のファイルから」という本を読んだりしました。 この本も同じ根の問題意識から手に取ったものです。 「やる気…

カレーを作れる子は算数もできる (木幡 寛)

最近流行の「タイトルの奇抜さ」で目を引く類の本・・・かと思いました。が、内容は、思いの外充実しています。 著者木幡氏の「現代の数学教育における問題に真摯に取り組んでいる姿勢」が見て取れます。 氏によると、「基本=How to=方法」と「基礎=why=…

大人の仕事術 (中島 孝志)

中島氏の言う「大人の仕事」とは「考えた仕事」のことです。 氏によると、その「大人の仕事」は3種類あると言います。 まずは、①「こなす仕事」。 これは、自分の力で処理する仕事です。 次に、②「さばく仕事」。 これは、自分以外の人(上司・部下等の適任…

事実は理論に依存する (新しい科学論(村上 陽一郎))

村上氏は、本書で「データの客観性」についても論じています。 通常の常識からは、「データ」といえるものは、誰が見ても(聞いても、計測しても・・・)同じもの(結果)でなくてはなりません。 しかしながら、氏は、観察されたデータは「主観的なもの」だ…

新しい科学論 (村上 陽一郎)

タイトルに「新しい科学論」とありますが、科学に対する基本認識を改めるもしくは再確認するには、まさに最適の本だと思います。 著者の村上氏は、科学史・科学哲学の重鎮です。本書は、その氏がまだ40代のころに著したものです。 まず、以下のような氏のメ…

心の平静について (人生の短さについて(セネカ))

セネカは「心の平静について」の中で、事にあたる場合の「三箇条」を示しています。(p83より引用) われわれがまず第一に吟味すべきは自分自身であり、次は、今から始めようとする仕事であり、またその次は、仕事の相手とか仕事の仲間ということになろう。 …

人生の短さについて (セネカ)

セネカ(Lucius Annaeus Seneca 前4?~後65)はローマの劇作家・政治家であり、ストア派の代表的な哲学者でもありました。 32年ごろ政界入りして卓越した弁論でたちまち頭角を現し、49年には法務官に任命されます。このころ、クラウディウス帝の養子であるネ…

日本沈没第二部 (小松左京/谷甲州)

1973年に出版されて大ベストセラーになった小松左京氏の「日本沈没」。 当時、私は中学生だったのですが、ユーラシアプレート・太平洋プレート・フィリピンプレートが重なり合ってマリアナ海溝に沈みこんでいる図は、30数年経った今でも、未だに強く記憶に残…

嫌われた日本 (高島 秀之)

アメリカの雑誌「フォーチュン」は1930年代から40年代にかけて3回、日本特集号を発行しました。 本書は、それら3つの特集記事を比較しつつ読み解くことで、戦時におけるジャーナリズムのひとつの姿を浮き彫りにしています。 当時のフォーチュンの編集や執…

吉田松陰と現代 (加藤 周一)

吉田松陰(よしだしょういん 1830~59)は、長州藩出身の幕末の思想家です。 1839年、9歳にして藩校明倫館で山鹿流兵学を講義し、翌年には藩主に「武教全書」を講義するなど、早くから才能を認められていました。その後、江戸で佐久間象山の門下に入り密航失…

決断力 (羽生 善治)

著者の羽生善治(はぶよしはる)氏は、1970年生まれの将棋のプロ棋士です。 1996年2月、谷川浩司王将を4勝無敗のストレートでやぶって王将位につき、25歳で史上初の7冠王(名人・王将・竜王・王位・棋聖・棋王・王座)という偉業を達成しました。 私は、将棋は…

だまされる脳 (日本バーチャルリアリティ学会)

バーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality)をテーマにした「知覚心理学」の素人向け入門書です。 バーチャルリアリティとは、コンピューター上に構築した環境の中で、視覚や聴覚を通じて、空間を移動したり状況の変化を体験したように感じることで、仮想…

データの罠 (田村 秀)

この本の内容は、統計学に基づくサンプル調査の基礎を理解している人から見ると、あまりにも当たり前の指摘です。 が、昨今のマスコミや行政等で実施され公表されている「世論調査」と銘打っているものの中に、「如何に、意識的もしくは無知によるノイズが混…

職人の誇り (手仕事の日本(柳 宗悦))

柳氏は、自分の足で全国各地をくまなく歩き、実物に触れ、日用の安価なものであっても手間を惜しまない正直な仕事を拾い上げています。(p82より引用) 羽後の国にはたった一ヵ所だけ焼物の窯場があります。神宮寺という駅から少し南に行ったところに楢岡と…

工芸の堕落 (手仕事の日本(柳 宗悦))

柳氏は、本書の中で、工芸の堕落の原因をいくつか挙げています。 ひとつには、商業化の波です。 陸中の増沢村の漆器の紹介でこういう記述があります。(p88より引用) この村で面白いことは今まで商人と取引したことがなく、いずれも在家から直接注文を受け…