OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary People

2013-01-01から1年間の記事一覧

日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント (竹村 公太郎)

フェイスブック上で知人が話題にしていたので読んでみました。 竹村公太郎氏の著作は初めてです。 竹村氏は建設官僚OBですが、本書で紹介している主張は「公共投資礼賛」といった役人然としたものではなく、多彩な観点から「公共事業」についての新たな視点…

中継されなかったバグダッド-唯一の日本人女性記者現地ルポ-イラク戦争の真実 (山本 美香)

会社の近くの図書館の「返却棚」にあった本です。 著者の山本美香さんは、世界の紛争地を中心に取材活動を行っていた女性ジャーナリストです。 本書の舞台は今から10年あまり前のバクダッド、イラク戦争の取材ルポです。 取材ルポといっても、彼女の本職は「…

不格好経営―チームDeNAの挑戦 (南場 智子)

ちょっと前にかなり評判になった本です。 マッキンゼーを退社してDeNAを立ち上げ一流企業にまで成長させたリアルなストーリーを、創業者である南場智子氏自身が語ります。 よくある“優等生的ビジネス書”といったトーンでもないですね。ひとりの起業家とその…

宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (吉田 たかよし)

「宇宙生物学」とは耳慣れない学問ジャンルですね。 『宇宙生物』までをひとかたまりで捉えると、「宇宙生命体」や「宇宙人」とかを扱う学問のようにも思えますが、そうではありません。宇宙生物学とは、宇宙的視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、…

55歳からのハローライフ (村上 龍)

人気のある本なんですね、かなり長い間待って、ようやく図書館の順番が回ってきました。 ひょっとすると村上龍さんの小説を読むのは初めてかもしれません。 タイトルは「55歳からのハローライフ」。私も、ほぼその歳になって、加えて、今年はひとつの区切り…

考えるよろこび (江藤 淳)

最近見た新聞の「書評欄」で紹介されていたので手にとってみました。 1960年代末ごろの講演録ですからかなり前のものですね、しかしながら流石に江藤氏、小気味よい語り口でなかなか興味深い指摘が数多くありました。 まずは、本書の表題にもなっている「考…

爆速経営―新生ヤフーの500日 (蛯谷 敏)

レビュープラスというブックレビューサイトから献本されたので読んでみました。 カリスマ的存在感を示していた井上雅博社長から後任を任された執行役員宮坂学氏。 本書は、2012年4月宮坂氏CEO就任以降の新生ヤフーの改革の実像をレポートしたものです。 井上…

カウントダウン・メルトダウン 下 (船橋 洋一)

事故発生直後から、福島第一原子力発電所で決死の対応作業に従事したのは、吉田昌郎所長を中心とした少数の発電所員のほかは、東京電力の下請会社の作業員の方々が中心でした。後には消防や自衛隊の隊員らがそれに加わりました。 被爆のリスクを覚悟しての現…

カウントダウン・メルトダウン 上 (船橋 洋一)

元の職場の同僚の方の推薦で読んでみた本です。 著者は、「一般財団法人日本再建イニシアティブ」の理事長でもある評論家船橋洋一氏。 この一般財団法人日本再建イニシアティブがプロデュースした最初のビッグプロジェクトが「福島原発事故独立検証委員会」…

民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (日本再建イニシアティブ)

会社の近くの図書館の「本日返却された本」の棚でたまたま目に付いたので読んでみました。 「日本再建イニシアティブ」は船橋洋一が理事長のシンクタンクで、福島第一原子力発電所事故に関し、民間人の立場から事故の検証を行った「民間事故調」の母体として…

ザ・ベストテン (山田 修爾)

この前、家に帰ってたまたまつけたテレビで、黒柳徹子さんと久米宏さんがお二人で登場して当時の話をされていました。 私ぐらいの年代の者にとっては、強く印象に残っている番組ですね、TBS毎週木曜日夜9時からの「ザ・ベストテン」。 本書の著者は、「ザ・…

禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本 (枡野 俊明)

気になるタイトルの本です。 いつも行っている図書館での予約の長い待ち行列の末、ようやく借り出しました。 著者の枡野俊明氏は、多摩美術大学教授でもあり庭園デザイナーでもあるという異色の禅僧です。その著者が語る美しい所作の数々のヒントの中から、…

辛酸―田中正造と足尾鉱毒事件 (城山 三郎)

足尾鉱毒事件や田中正造という「ことば」は中学・高校時代の社会科の教科書以来何度となく目にしているのですが、その実態や人となりについて深く知ることはありませんでした。 今回手に取ったのは、それらをテーマにした城山三郎氏の小説です。 田中正造氏…

ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛 (リチャード・ブラント)

以前から気になっていた本です。 ロングテールを見事に事業戦略に取り込み最初の成功を勝ち取ったamazonは、その後も事業ドメインを拡大しつつ発展を続けています。その原動力となっているは、もちろんCEOジェフ・ベゾスのリーダーシップ。 本書では、ジェフ…

サラリーマンは、二度会社を辞める。 (楠木 新)

タイトルに惹かれて読んでみた本です。私にとっての「今年」はひとつの節目の年でもあったので、なおさら気になりました。 会社の中で、人事関係の業務に長年たずさわっていたという著者の実体験にもとづく示唆が記されているのですが、それらの中で、私がち…

統計学が最強の学問である (西内 啓)

とても話題になっていますね。以前から統計学には興味をもっていたので、楽しみに読んでみた本です。 タイトルづけも上手ですね。内容も、数式はほとんど登場せず、初心者に対する分かりやすさを意識した書きぶりなので、統計学の基礎レベルの予備知識があれ…

土門拳 腕白小僧がいた (土門 拳)

私の場合、土門拳氏の作品といえば、「古寺巡礼」等で発表されている「寺院」「仏像」といった日本古来の伝統的文化財を対象とした重厚な写真を思い浮かべますが、土門氏は、有名人や一般庶民を写したポートレートやスナップ写真も数多く残しています。 本書…

炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす (佐藤 健太郎)

新聞の書評欄で紹介されていたので手に取ってみました。 タイトルが表しているようにとてもユニークな視点の著作です。 炭素を中心とした「化合物」はそれこそ山のように存在します。 (p17より引用) 炭素は、最も小さな部類の元素だ。しかしこのために、炭…

波のかたみ―清盛の妻 (永井 路子)

通勤電車の中で読む文庫本が切れたので、妻の書棚から取り出してきました。 先年のNHK大河ドラマは「平清盛」ですが、本書の主人公はその妻時子。武家としての平氏というより、公家としての平氏の盛衰を清盛の妻の目線で辿る物語です。 著者の語る「歴史の綾…

ある老学徒の手記 (鳥居 龍蔵)

著者の鳥居龍蔵氏は明治期の考古学者・民族学者です。 小学校を中退し、その後独学で必要な語学や専門の人類学を学んだとのこと、そういった厳しい環境下においても国際的な業績をあげた在野の研究者の自伝です。 鳥居氏の最初の強烈なエピソードは、尋常小…

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 (リンダ・グラットン)

友人の評価が高かったので読んでみました。将来の“働き方”を問う内容です。 著者の主張のスタートは、「これからの世界は『産業革命』以上の変化に直面する」という認識です。そして、その変化に伴い人々の「働き方」も大きく様変わりすると指摘しています。…

京都の平熱 哲学者の都市案内 (鷲田 清一)

「京都」というコトバには独特の響きがありますね。 本書は、京都生まれの哲学者鷲田清一氏による「京都の町」「京都の人」をテーマにしたエッセイ風の読み物です。京都に馴染みのない私にとっては、とても興味深いくだりが満載でした。 まず、私などは、「…

弁護士だけが知っている 反論する技術 (木山 泰嗣)

酷暑続きで、しっかりしたものを読む元気がなかったときに読んだ本です。 How Toものはあまり好きではないのですが、気楽に読めるだろうと手に取ってみました。 「反論する技術」とのタイトルですが、正面からのストレートな「反論」方法だけではなく、「質…

光圀伝 (冲方 丁)

冲方丁氏の小説を読むのは、ベストセラーになった「天地明察」に次いで2冊目です。 今回の主人公は「水戸光圀(黄門)」。 水戸黄門といえば東野英治郎さんの姿をいの一番に思い浮かべてしまう世代ですが、本書ではどんな人物として描かれているのでしょう…

日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方 (北山 公一)

レビュープラスというブックレビューサイトから献本されたので読んでみました。 これもビジネス・コミュニケーションをテーマにした実践的How to本です。 著者の北山氏は日本の金融機関を経て、ヨーロッパ系のグローバル企業で15年間マネジャーとして従事。…

伝え方が9割 (佐々木 圭一)

とても評判になっている本なので、手にとってみました。 コミュニケーションをテーマにした実践的なHow To本です。 著者のアドバイスは2つ、第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術 と第3章 「強いコトバ」をつくる技術 で開陳されています。 まず、「ノー…

老荘思想の心理学 (叢 小榕)

ちょっと前に、加島祥造氏の「荘子 ヒア・ナウ」を読んだのですが、それに続く“道家入門”の著作です。 巷間で耳にする老子・荘子を元とした言葉を材料に、その背後にある思想をわかりやすく解説していきます。ここでは、いくつかの「老荘のことば」とそれに…

奇跡の営業 (山本 正明)

レビュープラスというブックレビューサイトから献本されたので読んでみました。 対人営業の実践的How to本です。 40歳過ぎまで技術職だった著者は、家庭の事情から生命保険の営業マンに転職しました。そして試行錯誤の末、「お客様からの紹介を最重要視する…

電話交換手たちの太平洋戦争 (筒井 健二)

8月、毎年この時期には「戦争」関係の本を1冊は読むようにしています。 今回選んだのは、元NTT職員の方が書いたドキュメンタリーです。 本書のプロローグには、こう記されています。(p7より引用) 第二次世界大戦中、「死んでもブレスト(ヘッドホン式送…

二重らせん (ジェームス.D.ワトソン)

先日読んだ「知の逆転」のインタビューにも登場したジェームス.D.ワトソン博士の有名な著作です。 DNAモデルの発見経緯についてはいろいろなエピソードが世の中的にも語られていますが、本書はまさに当事者の筆によるドキュメンタリーです。歴史的発見を競う…